腎臓には血圧の調整や骨を強くする、体液量・イオンバランスの調整、血液(赤血球)を作るなど重要な役割がありますが、
最も重要な役割は血液をろ過する機能でしょう。
血液中には余分な水分や老廃物など「体にとって必要ない成分」が含まれています。
それら不要物を体外に排出するために活躍するのが腎臓です。

ところがこの大事な腎臓が加齢や生活習慣、糖尿病、高血圧などの病気で機能低下を起こすと、
不要物がどんどん体内に溜まってしまいます。
その結果体のだるさ、むくみ、多尿、頻尿などの症状が出ることに。
腎臓病は放置すると死に至る恐ろしい病なので、早めの治療が必要なのです。
⇒腎臓の機能と病気について

ただ治療を行っても腎臓の機能が著しく低下すると二度と機能を元に戻す事はできません
この場合、人工的に血液から不要物を除去する「人工透析」を行う必要があります。

人工透析のプロセスについて

人工透析は体の中に点滴などで必要な成分を入れる治療ではなく、
血液中から不要物を除去して綺麗になった血液を再度体に戻す治療法になります。
つまり患者の血液を一旦体外に取り出さなければなりません。

そのためには患者の血液を取りだす入口(内シャント)を作る必要があります。
静脈の血管に動脈をつなぎ合わせ、1分間に200mlの血液を体外に取り出す準備をします。これが「内シャント造設手術」です。

内シャント造設手術は腎臓内科医の仕事になります。
この準備が出来たらいよいよ人工透析開始です。

患者の内シャントから取り出した血液をダイアライザー(人工腎臓)に通すことで、
血液から余分な水分や尿毒素、カリウム、ナトリウムなどの不要物が除去されます。
体に必要な白血球や赤血球、タンパク質はそのまま血液内に留まり、再び体内へと戻される仕組みです。

腹膜透析とは?

血液中から不要物を取り除く方法は人工透析だけではありません。
腹膜透析と呼ばれる種類もあります。

腹膜透析は、患者自身の腹膜を透析膜として利用する方法です。
カテーテルをお腹の中に入れ、そのカテーテルから透析液を注入。
透析液に血液中の不要物(尿毒素・カリウム・カルシウムなど)が浸みだし、
不要になった透析液を体外に排出する医療行為を行います。

腹膜透析は自宅で出来るため、わざわざ病院まで通う必要はありません(それでも管理のために月1~2回の通院は必要です)。
この方法は自宅や職場で透析が出来るため、時間の制約を受けにくいのがメリットですが、
カテーテル内に雑菌が入らないように厳重な管理が必要なほかに、腹膜炎を起こす可能性が高いことがデメリットです。

腹膜のろ過機能が低下した場合、血液透析に切り替える事になります。

画像出典元:https://dialysis.medipress.jp/disease-and-cure/dialysis-basic/47

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